奈良県立医科大学　総合医療学講座　教授　𠮷本清巳

　2024年4月1日から、私𠮷本清巳が教授となり、新しい奈良医大総合医療学が始まります。
　中村忍先生、西尾健治先生から続いて来た総合医療学を引き継ぎ、精一杯頑張ってまいります。

　地域医療・総合診療を志望した私は、医師3年目に、将来奈良で総合診療医を育てたい、多くの医学生に総合診療を伝えたい、という思いから、中村先生の門を叩き当講座に入局しました。自治医大の義務年限で念願のへき地診療を経て、その後大学に戻り西尾先生の指導の下、総合診療、総合診療教育に邁進して参りました。

　2011年には西尾先生御一人で講座を支えられ、2012年に私が戻り、その後41名という多くの医局員が入局してくれて今があります。2013年からは後期研修プログラムを始め、プログラム修了生から6名の家庭医療専門医と9名の総合診療専門医が誕生しています。現在も10名の専攻医が在籍し、今後もしっかりと専門医を育成していきたいと思います。

　臨床では8診の外来診療と入院16床を運営し、院内、院外から、非常に多くのご紹介をいただけるようになっています。

　専門分化していく現在の医療のなかで、総合的な診療ができる医師が必要とされていることを実感しています。卒前教育も、初期臨床研修も、大学院での教育にも力を入れています。
全人的な医療を主として指導できる科であり、その責任を感じています。

　リウマチ・膠原病診療、血栓止血の研究など高度な医療、基礎研究も引き続き継続してまいります。

　西尾先生に教わった全人的にも医学的にも常に患者さんに納得してもらえる医療を心掛け、専門科と地域の医療機関と連携し、地域の皆様の健康と命を守る医療を展開していきたいと思います。

　高品質な総合診療の普及と発展が、日本の医療の向上につながるとの信念をもって現在の講座を継続し、さらなる発展を目指してまいります。
　奈良県立医科大学総合医療学講座を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2024年4月1日
奈良県立医科大学　総合医療学講座　教授
𠮷本清巳